基本的には褒めて育てましょう。しかし、時には叱ることも必要です。
これはほとんど皆さん共感頂けると思います。
「褒めて育てる」と言うと、まるで叱らないのかなと思われます。逆もまた然り。
過ぎたるは及ばざるが如しのことわざ通り、偏りすぎてはいけません。
これは量的ではなく、質的な意味合いです。
9割褒めて1割叱るくらいが理想(褒めの量が多い)なのですが、褒めも叱りも同じくらい大切(質的には同等)だと考えます。
さて真の問題ですが、
「どのように褒めるか?どうやって叱るか?」です。
結局のところ・・・褒めても叱っても愛犬に通用しないから困るのですね!悩むのですね!
「何を」「何故」という部分は人それぞれなので今回は省きますが、
「どのように」の部分は基本があります。
まず、犬に初めからは言葉は通じません。(都合の良い事だけは通じるかも?)
言葉を使うのは後にとっておきましょう。
次に、態度ははっきりと示します。(笑いながら叱る、無表情で褒めるのはダメ)
喜怒哀楽を全身で表現しましょう。
最後に・・・本気でやりましょう。(根気よりも本気)
良いことか悪いことかを伝えるのに時間をかけてはいけません。
人を噛んでもいいかどうか?果たして・・・などと悩む必要はないですね。
判断に迷えば犬の心は遊びに行ってしまいます。あらかじめしつけ方針は決めておくこと。
テクニックの部分としては歩く際などは身体を使いこなすことです。
例えば、散歩で前に飛び出す犬を叱りたい場合は、飛び出す前に犬の進路を自分の足でブロックして曲がります。(足に意思を込める)
そのまま犬に迫って止まればプレッシャーを与えられます。
うまくいくかどうかはさておき、叱るということの本質は「制すること」です。
昔のように棒でひっぱたくとか、怒鳴りつけることだけが叱ることではありません。歩き方でも制することは可能!
これに対して、褒めるということの本質は「感謝」です。
「サンキュー」と愛犬に言いたくなればそれはもうすでに褒めです。(毎日言ってあげましょう)
結論としては、「どのように感謝を伝えるか?どうやって制するか?」が重要ということです。
基本を踏まえた上で、固定観念にとらわれずに創意工夫してみて下さいね♪
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「うちの子は他の犬と遊べなくて困るんです・・・」
よくある相談です。
飼い主さんの気持ちとしては、他の犬たちと楽しく遊んでほしいし、それがこの子の為になる、という感じでしょうか。
でも実際は吠えてしまうとか逃げてしまうので、しつけをして遊べるようにならないかな~と。
もちろんそうなれば最高です。しかしこれは簡単なことではありません・・・!
確かにどの犬とも初めからフレンドリーに接することができる犬もいますがこれは性格・性質によるところが大きいのですね。
嫌いな人を好きになって遊ぶように、というのは私達でも難しいことです。
ただし、嫌いだからといって吠えて拒絶したり、顔を合わせた途端に逃げ出す・・・
という無礼な態度をとってしまう。(犬の場合、無視はOK)
これは相手に対して失礼ですから、好き嫌いで済ませず、しつけをする(慣れさせる)必要がありますね。
しかし、全ての犬と遊ぶことを求めるのは好き嫌い、相性の問題もあるので実は無理があります。
私達も気の合う友達としか遊びませんよね?犬も同じです、まずは友達犬を一頭作ることを目指しましょう。
そして大多数の他犬(初めて会う犬)とは無難に接することができればOKとします。
つまり表面上の礼儀は身につけさせる、それがしつけの領域です。
しつけは万能ではなく、基本があるだけです。魔法もないですよ~!(念のため)
しつけをしたら「嫌いなものが好きになる!」「悪い癖が消えてなくなる!」
こう思っている飼い主さんはけっこう多いでしょう。(完璧とは言わないけど内心はそう願ってしまうもの)
いい子にする為にしつけをするのですが、完璧を求めることとは違いますね。
もし完璧を犬に求めるのならば、まずは自分自身が完璧にならなければいけません・・・。
完璧な人が存在しないように、完璧な犬も存在しないのです。
例えばしつけを一年間もやったけどやっぱり吠え癖が直らないとか噛み癖が直らないとか・・・
誰でもそうですが、「悩みは尽きない」ものです。何かしら気になることはあって当然です、完璧じゃないのだから。
しかし、よ~く考えると「悩みのレベル」も上がっているはずです。しつけをして以前と全く変わらないということはないはず。
これができたら、じゃあこれもできるんじゃないか、あれもこれも!と欲が出ます。(トレーナーは特にそう・・・)
これは自戒の意味も込めて言いますが「その犬のダメな部分も認めてあげてもいい」と思います。
もちろんやるだけのことはやった上での話ですが。より高度な悩みを目指せばよし。
さて、話を戻します。しつけによって完璧にはなれませんが、完璧に近づくことはできるということです。
吠えないこと、咬まないこと、飛びつかないこと、引っ張らないこと、他犬や他人と仲良くすること等。
犬達に求めることは多々ありますが、ぜ~んぶ完璧にしなくたっていいのですよ。
一項目80点とれてればいいと思います。そりゃあ100点に越したことはないけども!
10点とか20点の項目がある方が問題なのですね。0点だとしたらもっと怖いです。底が知れませんから。
人間だって勉強ができる子、運動ができる子、思いやりがある子など色々ありますが、
基本的にはバランスとれてた方がいいと思うのです。その方が生きやすいでしょうから。
しかし、人間も犬もそんなに全て完璧になれるわけがないので苦手分野や自分の嫌いな所も認めてあげればよいと思います。
繰り返しになりますが、前提条件として、まずは必死に克服しようと努力することです。
ということで、犬のしつけもまずは必死に頑張りましょう!
しつけの勉強はドッグトレーナーから直伝が一番です。その上で本なり、DVDなりで勉強したらそれこそ完璧♪
「〇〇ちゃん!だめでしょ!」と名前で叱ってしまうこと。
これは皆さん1回くらいやったことあるのでは?
私もあります・・・ついうっかりと。
多頭飼育の場合はまあ仕方ない部分もありますが、原則的に名前で叱るのはいけません。
何故かと言うと、名前を呼ぶこと自体が褒めることに繋がるからです。
極論ですが「名前=褒め」なのです。名前はそう在るべき。
名前で叱ると「名前=叱り」になるので犬は名前を呼ばれると逃げるかもしれません・・・!
叱る時は「NO」を使いましょう。(だめ、いけない、なども可)
多頭飼育でもその犬に向けて言えばその犬だけに通じるはず。(巻き添えをくう場合もあるが)
そしてトレーニングの時には意図して名前を呼ぶ、呼ばないを使い分けることが大切ですね。
「緊張させたいなら名前は呼ばないこと」
「リラックスさせたいなら名前を呼ぶこと」
さあ、早速実践してみてくださいね♪
「〇〇ちゃん、おすわり、おすわり!、おすわりーッ!!」
お、1回座った。(すぐ立つんだけどね)
「おりこうだね~」
・・・これはやりがちですよね。果たしてこれは座ったことになるのか?それともノーカウント?
ジャッジするのは、そうです飼い主さんです。(甘口になりやすい)
普通はこれで座ったことにしてしまう。おりこう~と褒めてしまうでしょう!
なかなかノーカウントにはできないです。だって座ったのは事実だから。
技術的な話は省きますが、「おすわりと何回も言えば座るか?」というタイトルの答えは、
「言えば言うほど座らなくなる」です。座ったとしても一瞬の出来事になるでしょう。
何故かと言うと、3回指示を出して、おすわりが1回しか成功してないとしたら、
あと2回分のおすわりは無視していいと教えてしまうからです!
これではやればやるほど逆効果!指示を軽く見てどんどん無視するようになってしまいますね。
ですから、トレーニングは1回の指示を確実にきかせることを目指します。
ポイントはただ一つ!まずは言葉をつけないで座らせること。そう、言わなければいいのです!
座るようになってきたら「おすわり」という言葉を後付けしましょう♪
ある本に書いてありましたが、
「課長になる前に課長の仕事はやらせておく」
これはつまり、先に実力をつけさせてから後付けで肩書きをつけるということです。
「実」のないところに「言葉」「肩書き」「制度」をもってきても機能しませんね。
初めに答えを言いますが、食べ物のご褒美は使っても使わなくてもどちらでもOKです!オモチャも。
好きならば使うべきでしょうし、そんなに喜ばないならば無理に使う必要はありません。
ただ、使い方が難しいので禁止しているトレーナーも多いですが。
どうやって使うかがポイントなのですが、ご褒美に食べ物などを与える場合、成功したら与えますよね?
もちろんそれでいいのですが、では「成功」とは何をもっていうのか?が重要なのです。
例えば、
「①おしりを強く押したら座る」と「②おしりを軽く押したら座る」と「③おすわりと言ったら座る」
この3つだとどれがレベル高いでしょうか?
そう、③ですね。
さらにレベルを上げると、
「④座ったまま3秒待つ」と「⑤座ったまま5秒待つ」と「⑥座ったまま10秒待つ」
はい、⑥が一番レベル高いですね。
どんどん行きましょう♪
「⑦座ってアイコンタクトとりながら1秒待つ」と「⑧座ってアイコンタクトとりながら3秒待つ」・・・
当然、⑧の方がレベル高いのです。これをず~っとやっていくとノーリード等に繋がっていくのです。
何が言いたいかというと、
③のレベルでご褒美を毎回与えていると、犬は④にはいきません。すぐに立ち上がってご褒美をもらおうとします。
だってそういう風に教えられているから。(犬の言い分)
そうです、「飼い主さんの方でレベルを上げるという意識がないと犬のレベルは上がらない」のです。
よって、ご褒美を与えるタイミングは「レベルが上がった時」となります!
そして、すでに身に付いてクリアしていることは「ご褒美を抜くこと」がポイントなのですね。(褒めはします)
ここが注意点ですがご褒美を抜かないとご褒美目的に行動する犬になります。(おやつがあれば従う)
言われればなるほど納得のことなのですが・・・実践するとなると意外と難しいのです。
とってもキュートながく君が遊びに来てくれました!
まずは玉川上水に沿ってお散歩です。トコトコ歩く姿がキュートなのです。(気の毒なくらいアイコンとってくれます)
続いてオモチャを投げて遊んであげました!
持っては来るけどオモチャをなかなか離さない子なので、「だせ」の指示でうまく出せるようにトレーニングしました。
問題点はハウス内で排泄してしまうこと、散歩中に他人や他犬に吠えることなのですが、主導権とればまず吠えません。
唯一、公園の鳩に反応したので少しの間、鳩の近くで過ごしたがく君。これもすぐ慣れます。
他の犬や飼い主さんとも交流し、一緒にトレーニングもしました。(ララちゃん先輩のトレーニング見てるかな?)
あとはハウス内でなぜか排泄してしまうのですがこれは今後の課題として残りました。
食事内容の見直しや与え方の検討をして様子をみます。
すぐ直る問題と時間がかかる問題がありますのでしっかり計画立ててトレーニングをすることが大切ですね。
謙遜や冗談かもしれませんが、「うちの子はバカ犬だから~」というフレーズをけっこう耳にします。
しかし、本当にそう思っている飼い主さんがいたとしたら・・・
こんなに不幸で悲しいことはありません。
本当にその犬はバカ犬なのでしょうか??
いや、そんなことはないでしょう。たぶん本能が強く出てしまっているだけです。
犬らしい犬ほど人間の目にはバカ犬に映ります。咬んだり、吠えたり、走ったり・・・これがザ・犬!
しつけの世界では、
「犬はしつけをして初めて犬になる」という言葉があります。
ダイヤモンドだって原石のままでは光輝きません。
犬だって、ほったらかしでは才能を発揮できません。
全ての犬に才能、可能性はあります!(間違いなく)
ただし、犬には人間のように「向上心」だとか「自尊心・羞恥心」だとかは存在しないので、
犬自ら、「もっと速く走れるように走込みしよう」とか「お手を習得したいから自主練しよう」などとは思いません。
そこに食べ物があれば遠慮なくよだれをたらしますし、新品の洋服でも平気で汚します。それが犬。
ちなみに「血統がいいから」とか「値段が高かったから」などは頭の良さには一切関係ありません。
きちんとしつけをしているか?教育を受けさせたか?才能を磨いたか?が重要なのです。
「動物」から「犬」に成るには飼い主さんの力が必要なのですね~♪
我々ドッグトレーナーはその飼い主さんをサポートするのが役目ですからしつけのことは何でもお気軽にご相談くださいね。