叱り方に続いて、今回は褒め方のお話です。
同じパターンで考えると、
褒める時は喜びの感情が伴う。
喜びの大小が相手に伝わるか影響する。
ここまではOKですね?
「叱る・怒る」と「褒める・喜ぶ」の図式になります。
叱り方の注意点として怒りすぎると相手の為(指導)にならずただの感情爆発になる恐れがあったのですが、
喜びすぎるとどうなるでしょうか?
これは、
全然問題ありません!褒めることと喜ぶことはほぼ同義語だと考えます。(褒め自体の弊害はない)
「愛犬が喜べばあなたも嬉しい」
ということはたぶん、
「あなたが喜べば愛犬も嬉しい」でしょう。
「愛犬が幸せならあなたも幸せ」ならば「あなたが幸せなら愛犬も幸せ」かなと思います。(ぜひ直接聞いてみたい)
ただし・・・!
喜びの押し売りはいけません。
褒めの押しつけはいけません。
これは順番が大切ということです。つまり、まず犬、そして飼い主さんです。
犬が喜ぶことが最初であり、次にあなたが喜ぶのがしつけにおいての正しい褒め方です。
例えば、
無理やり力づくでオスワリさせたのに、あなたが嬉しいから、「よーしよし」と褒められても、犬は全然嬉しくありません。
正しくは、
犬が興味をもつやり方でオスワリの形に導き、褒める&喜ぶ。
一番初めだけは犬は必ずしも喜んでいないかもしれませんが、まずは「楽しんでもらえるやり方」を意識しましょう。
これが基本です。
そうしたらそのうち、あなたに喜んでほしいから犬が自らすすんで座るようになります!(スムーズに座るようになる)
これはトレーニングを楽しんでいる状態です。「楽しみ~喜び」へシフトしていくのですね。
犬→あなた→犬→あなた・・・と「喜びのキャッチボール」ができてきたら健全な主従関係の形と言えます。
もう一度言いますが、まずは犬を喜ばすことです。何かして欲しいならばまずは与えよ、です。(厳密には楽しみ→喜び)
すぐ思いつくのは食べ物とかオモチャですね。
確かにこれは喜ぶ犬が多いですが、あまりにも即物的なため、飼い主さんへの尊敬や感謝が得られない恐れがあります。
要するに食べ物がほしいから従うにすぎない犬に育つかもしれないということです。
食べ物は強力すぎるが故に使い方が難しいですよ、というのが私の意見です。(私達も働かないで給料がでたらどうなるか?)
ではどうするか?正しい褒め方とは?
言葉で褒めるやり方は感情表現が豊かな人に向いてる褒め方です。
感情をこめて、抑揚をつけ、上がり調子で褒めましょう。もちろん笑顔です。
普通に語りかけるだけでも犬は嬉しいかもしれません。
相手にされている、大切にされているという自然な喜びへと繋がると理想的です。
次に触って褒める、撫でてやる方法です。
どこを触ればいいですか?とよく聞かれますが、
「どこでもOK」が答えです。部位よりも触り方が重要です。(じゃあ目でもいいのね、とか意地悪な解釈はやめてね)
やさしく撫でる、パンッと触る、ぐしゃぐしゃに触る、どれがいいのかはその場面によります。
ほんの一例ですが(もちろん例外もあります)
やさしく撫でるのはリラックスさせるので待つ練習に向いてます。
パンッと触るのは緊張感を維持できるので歩行練習に向いてます。
ぐしゃぐしゃに触るのは高揚感を与えるので遊びの時に向いてます。
最後に食べ物やオモチャを与える方法ですが・・・やはり使い方が難しいので下手に多用しない方が良いでしょう。
最悪の場合、褒めたくない行動を褒めてしまっている場合があります。
典型的なのはオスワリしたけどおやつあげる時には飛びついている、みたいな。
最後に、どの褒め方にも共通するのはタイミングとサプライズが重要ということです。
現象を捉えて3秒以内に褒める!意外性を意識する!
大量の、分かりきった、形だけの褒めは犬もしらけるものです。
サプライズのプレゼントって嬉しいですよね?毎回じゃなくていいから「え!まさか」というのがいいんですよ♪
お知らせ
これが一番苦手という方が多いでしょう。
犬を叱ることは「かわいそう」であり、できればしたくないですね。
しかし、しつけとして「ダメなことはダメ」と叱らなくてはいけないのも頷ける。
皆さんここで葛藤するのだと思います。
今回はまず「叱る」ということはどういうことなのか?を考えましょう。
よく比較されるのは「怒る」という言葉。
2つの言葉の違いは、
「叱る」→「相手の為」(指導の一環として行う)
「怒る」→「自分の為」(感情の爆発であり憂さ晴らし)
ざっくり言うとこうなると思います。
しかしここで疑問なのが、叱ることと怒ることは結果や目的が違うけど、
「プロセスの段階では混ざり合ってるのではないか?」ということです。
喜怒哀楽というようにやはり私達は犬を叱っている時に少なからず「怒り」の感情を持っているのではないでしょうか。
ちょっと一緒に考えてみましょう。例えば、
年下の部下が上司である自分に対してタメ口をきいてきたらどうしますか?
①不快感を露わにした顔で立ち去る
②毅然とした静かな口調で「その口のきき方は何だ」と諭す
③「誰に向かって口をきいている!」と激高する
あなたならどれを選びますか??(聞こえなかった振りをする、聞き流すというのはなしで!)
もちろん皆さん立場が違うのでこれが正解というのはありません。
しかしここで気付くのは、3つとも全部怒っていますね?怒りの大きさに差はあれど!
模範解答ならば②でしょうか。
「その口のきき方は何だ。失礼にあたるからやめなさい」と厳しくも優しくも指導している場面が想像できます。
①の場合も表情ですでに怒りは伝えていますし、立ち去ることで無視という社会的な罰を与えています。
勘のいい部下ならば「やってしまった・・・」とすぐに気付き、謝罪にくるでしょう。
ただ、勘の悪い部下ならばあなたが怒っていることすら気付かないで終わるかもしれません。
そして③ですが、これはかなり怒っていますね~。怒りのレベルは高いでしょう。
普通に考えるとこれはダメです。自分の為のただの感情の爆発になってしまい、指導にはならないからです。
しかし本当にそうでしょうか?
怒りにまかせて怒鳴り散らすのはもちろんダメです。
ただし、怒りのレベルを高く保ち、叱るのは良いです。むしろそうしないと理解できない者もいるということです。(犬もね)
③の「激高」の部分を「大喝」にしたらどうでしょう?
何となくOKのような感じがしますよね。不思議ですが言葉のもつニュアンスは大事です。
整理しますと、
叱るということは怒りの感情が伴うということ。
怒りの感情の大小が相手に伝わるかどうか影響すること。
注意しなければいけないのは怒りが大きすぎて自分で制御できなくなると、ただの憂さ晴らし的な感情爆発になる点です。
よく相手の嫌な部分を我慢するのはいけないといいますが、
それは怒りは生まれてはたまり続けているからです。いつかドーンッとなります・・・!(コミュニケーションが大事ですね)
さて本題の犬の正しい叱り方ですが、
まずは本当に怒ること。それを叱りに変換するのです。
「〇〇ちゃん、ダメよ~」と、本当は怒ってないけど叱ろうとはしている場面を見かけます。
世間体とかもあるので人前で怒るのは気がひけます。スマートに叱れればいいなと思ってしまいます。
しかしそれでは犬には伝わりません。怒ってないのはバレてます。(というか感情は全て読まれてる)
まずは怒りましょう。問題はどうやって表現するか?どうやって犬に伝えるかなのです。
言葉で叱るのは感情表現が豊かな人に向いている叱り方です。
しかし場合によっては(怒りレベルが低い)全く通じない叱り方に成り下がりますし、
別の怒り(しつけがうまくいかない)が加わってくるとただの激高になります。
次に、音でビックリさせる叱り方ですが3ヶ月齢くらいの子犬には通じるかもしれませんが、成犬は少々の音では懲りないでしょう。
そして音の大きさは怒りの大きさにきっと左右されることでしょう。
最後にリードやカラーを使う叱り方ですが、これは効きすぎる場合があるので下手には使えません。
言葉や音と比べて直接的な手段になるのでその効果は絶大なのですね。
以上、犬の叱り方について書きましたがどんな叱り方にも共通するのはタイミングとインパクトが重要ということです。
現行犯で3秒以内に叱る!一回で教えてあげる!
皆さんの健闘を祈ります♪
久しぶりにお泊りとなりました、りき君です。
平日の空いてる時間で、いざお出かけです♪
今回は奥多摩にある神戸岩(かのといわ)に行ってきました~!
私はゴツゴツの岩山とか見るとテンション上がります!(やったことないけど何故か登りたくなる)
神戸岩の前で記念写真です!
さらに奥もありますが、これ以上は危険なので引き返します・・・
りき君も狩猟犬の血が騒ぐのか?山だとテンション高いのです。
遊んでばかりいるようですが、ちゃんとトレーニングもしてますよ(汗)
生徒犬同士で触れ合うのはお互いにプラスの相乗効果がありますね。(もちろん飼い主さんも)
しつけも大事ですが、やっぱり楽しくないとね♪(遊びも大事なのです)
ただ、楽しさを優先しすぎて、愛情に食傷気味の犬が多いのも確か・・・!
きっと答えはないのでしょう。
与えられたクスリは効かないといいますから、
本やネットで得たインスタントラーメンのような訓練知識ではなく、
自分自身で獲得した本物の訓練方法を!
6ヶ月齢の楓太君です。
メチャクチャいい笑顔ですね~!
雑誌のモデル犬かと思うくらい良い写真!(飼い主さん撮影)
楓太君はイケメンですね。
最近はアイコンタクトもうまくできるようになってきた!?
愛犬は可愛いから、可愛がるのは簡単ですが、
可愛いからこそ厳しくすることも愛情です。
しつけとは「日常生活」なのです。
「普段」と「レッスン」に差異があってはいけません。
焦らず、ゆっくりでいいですから、確実に、進歩できるようにね。
同窓生りき君とご挨拶です。
今の時期の経験が一生を左右します。
他人や他犬に対して良い印象を持ち、好意的に接することができるように経験を積ませましょう。
では最後は何か可愛いのでアップしちゃいます、この写真♪
楓太君のこれからに期待!
基本的には褒めて育てましょう。しかし、時には叱ることも必要です。
これはほとんど皆さん共感頂けると思います。
「褒めて育てる」と言うと、まるで叱らないのかなと思われます。逆もまた然り。
過ぎたるは及ばざるが如しのことわざ通り、偏りすぎてはいけません。
これは量的ではなく、質的な意味合いです。
9割褒めて1割叱るくらいが理想(褒めの量が多い)なのですが、褒めも叱りも同じくらい大切(質的には同等)だと考えます。
さて真の問題ですが、
「どのように褒めるか?どうやって叱るか?」です。
結局のところ・・・褒めても叱っても愛犬に通用しないから困るのですね!悩むのですね!
「何を」「何故」という部分は人それぞれなので今回は省きますが、
「どのように」の部分は基本があります。
まず、犬に初めからは言葉は通じません。(都合の良い事だけは通じるかも?)
言葉を使うのは後にとっておきましょう。
次に、態度ははっきりと示します。(笑いながら叱る、無表情で褒めるのはダメ)
喜怒哀楽を全身で表現しましょう。
最後に・・・本気でやりましょう。(根気よりも本気)
良いことか悪いことかを伝えるのに時間をかけてはいけません。
人を噛んでもいいかどうか?果たして・・・などと悩む必要はないですね。
判断に迷えば犬の心は遊びに行ってしまいます。あらかじめしつけ方針は決めておくこと。
テクニックの部分としては歩く際などは身体を使いこなすことです。
例えば、散歩で前に飛び出す犬を叱りたい場合は、飛び出す前に犬の進路を自分の足でブロックして曲がります。(足に意思を込める)
そのまま犬に迫って止まればプレッシャーを与えられます。
うまくいくかどうかはさておき、叱るということの本質は「制すること」です。
昔のように棒でひっぱたくとか、怒鳴りつけることだけが叱ることではありません。歩き方でも制することは可能!
これに対して、褒めるということの本質は「感謝」です。
「サンキュー」と愛犬に言いたくなればそれはもうすでに褒めです。(毎日言ってあげましょう)
結論としては、「どのように感謝を伝えるか?どうやって制するか?」が重要ということです。
基本を踏まえた上で、固定観念にとらわれずに創意工夫してみて下さいね♪