2016年 12月
初めに答えを言いますが、食べ物のご褒美は使っても使わなくてもどちらでもOKです!オモチャも。
好きならば使うべきでしょうし、そんなに喜ばないならば無理に使う必要はありません。
ただ、使い方が難しいので禁止しているトレーナーも多いですが。
どうやって使うかがポイントなのですが、ご褒美に食べ物などを与える場合、成功したら与えますよね?
もちろんそれでいいのですが、では「成功」とは何をもっていうのか?が重要なのです。
例えば、
「①おしりを強く押したら座る」と「②おしりを軽く押したら座る」と「③おすわりと言ったら座る」
この3つだとどれがレベル高いでしょうか?
そう、③ですね。
さらにレベルを上げると、
「④座ったまま3秒待つ」と「⑤座ったまま5秒待つ」と「⑥座ったまま10秒待つ」
はい、⑥が一番レベル高いですね。
どんどん行きましょう♪
「⑦座ってアイコンタクトとりながら1秒待つ」と「⑧座ってアイコンタクトとりながら3秒待つ」・・・
当然、⑧の方がレベル高いのです。これをず~っとやっていくとノーリード等に繋がっていくのです。
何が言いたいかというと、
③のレベルでご褒美を毎回与えていると、犬は④にはいきません。すぐに立ち上がってご褒美をもらおうとします。
だってそういう風に教えられているから。(犬の言い分)
そうです、「飼い主さんの方でレベルを上げるという意識がないと犬のレベルは上がらない」のです。
よって、ご褒美を与えるタイミングは「レベルが上がった時」となります!
そして、すでに身に付いてクリアしていることは「ご褒美を抜くこと」がポイントなのですね。(褒めはします)
ここが注意点ですがご褒美を抜かないとご褒美目的に行動する犬になります。(おやつがあれば従う)
言われればなるほど納得のことなのですが・・・実践するとなると意外と難しいのです。
とってもキュートながく君が遊びに来てくれました!
まずは玉川上水に沿ってお散歩です。トコトコ歩く姿がキュートなのです。(気の毒なくらいアイコンとってくれます)
続いてオモチャを投げて遊んであげました!
持っては来るけどオモチャをなかなか離さない子なので、「だせ」の指示でうまく出せるようにトレーニングしました。
問題点はハウス内で排泄してしまうこと、散歩中に他人や他犬に吠えることなのですが、主導権とればまず吠えません。
唯一、公園の鳩に反応したので少しの間、鳩の近くで過ごしたがく君。これもすぐ慣れます。
他の犬や飼い主さんとも交流し、一緒にトレーニングもしました。(ララちゃん先輩のトレーニング見てるかな?)
あとはハウス内でなぜか排泄してしまうのですがこれは今後の課題として残りました。
食事内容の見直しや与え方の検討をして様子をみます。
すぐ直る問題と時間がかかる問題がありますのでしっかり計画立ててトレーニングをすることが大切ですね。
謙遜や冗談かもしれませんが、「うちの子はバカ犬だから~」というフレーズをけっこう耳にします。
しかし、本当にそう思っている飼い主さんがいたとしたら・・・
こんなに不幸で悲しいことはありません。
本当にその犬はバカ犬なのでしょうか??
いや、そんなことはないでしょう。たぶん本能が強く出てしまっているだけです。
犬らしい犬ほど人間の目にはバカ犬に映ります。咬んだり、吠えたり、走ったり・・・これがザ・犬!
しつけの世界では、
「犬はしつけをして初めて犬になる」という言葉があります。
ダイヤモンドだって原石のままでは光輝きません。
犬だって、ほったらかしでは才能を発揮できません。
全ての犬に才能、可能性はあります!(間違いなく)
ただし、犬には人間のように「向上心」だとか「自尊心・羞恥心」だとかは存在しないので、
犬自ら、「もっと速く走れるように走込みしよう」とか「お手を習得したいから自主練しよう」などとは思いません。
そこに食べ物があれば遠慮なくよだれをたらしますし、新品の洋服でも平気で汚します。それが犬。
ちなみに「血統がいいから」とか「値段が高かったから」などは頭の良さには一切関係ありません。
きちんとしつけをしているか?教育を受けさせたか?才能を磨いたか?が重要なのです。
「動物」から「犬」に成るには飼い主さんの力が必要なのですね~♪
我々ドッグトレーナーはその飼い主さんをサポートするのが役目ですからしつけのことは何でもお気軽にご相談くださいね。
今年ラストの合同トレーニング会です。
12頭参加で盛り上がりました♪
個別の練習をしたり、みんなで練習したり!
たくさん犬がいても、いつも通りのパフォーマンスができるようにしましょう~。
普通は自分の犬だけできてれば充分なのですが・・・
他の犬でもうまくできるようになれば更にいいですね!
他の飼い主さんに持たれると犬にとって良い経験になります。(これが未経験の犬が非常に多い)
考えてもみて下さい。
私たちも子供の頃、親戚やご近所さんなど周りの大人たちと関わる中で目上の人に対する態度や振舞い方を学びました。
犬は圧倒的にこういう経験が不足します。だから飼い主さんに依存して離れられない犬が多いのですね。
犬だから別にいいじゃん、と言えばそれまでですが。
社会の一員として、たとえ一人でも生きていけるようにするのが、本来しつけや教育の目指すところだとすれば犬も同じかもしれませんね。
今回は「無視」のお話です。
犬のしつけでよく言われるのがこの「無視」という対処法です。
「吠えても無視してください」
「甘噛みしてきても無視してください」
私もよく言うことがありますが・・・実はこれだけではなかなか効果はでません!
たいていは問題解決の為と言うより、これ以上問題を悪化させない為に言う対処法なのです。
これで直ればラッキーくらいに思っておきましょう。
さて、ではなぜ「無視」が効かないか?
答えの前にちょっと人間の恋愛で例えてみましょう~!
例えば、20代前半のカップルがいて今日が初デートだとします♪
当然、女性の方は男性がどんなデートを考えてきてくれるのか楽しみにしてるでしょう。
しかしデート当日、待ち合わせ場所で男性が言った言葉は、
「今日どこ行く??」
気を遣っているわけではなく、完全なノープランだったら女性の方はどう思いますか?
何だかガッカリ・・・100年の恋も冷めてしまうかも?
そうです、女性は男性に「リード」してほしかったのです。(一般論なのでそうじゃない人はごめんなさい)
何を食べる?何の映画を見る?何時に帰る?など男性がリードしてくれればきっと女性も安心ですね。
そんなことが犬のしつけに関係あるのかと思われるかもしれませんが・・・
リードするということは「意思を示す」「姿勢を示す」ということです。
自分の意思がないような人は、誰かから頼りにされることはないでしょう。
恋愛の話はさておき、「無視」の話に戻ります。
「犬がご飯の時間に吠えて困ります。どうしたらいいですか?」
「吠えてる時は無視して、吠えてない時にご飯をあげましょう」
いわゆる無視の対処ですが、これだけではやはり直らないでしょう。
なぜか?
それは、「犬が飼い主さんを普段からリードしているから」です。
無視というのはリードしている側がして初めて効果がでます!
先程の例えですと実はリードしているのは女性の方なので、、
男性が突然帰ったとしても女性には効き目がありません。
しかし、女性が突然「もういい!私、帰る!」と言い出したら男性は慌てふためくでしょう。
無視(立ち去る)が使えるのは女性だけなのです。
犬のしつけの場合、重要なのは普段の犬と飼い主さんの関係性です。
つまり、どちらがリードしているか?
優しいけどノープランでは犬に頼りにされることは期待できません。
大切なのは「意思を示す」こと。
ご飯の前に吠える犬に対しては、オモチャを与える時も、散歩に出かける時も、他犬に出会った時も、
あらゆる場面で吠えて要求することは許さない、という一貫した意思を示さないと犬としては訳が分かりません。
しつけというのは日常生活全般の中で行われるものですから。
以上、「無視」のお話でした!